”エシカル”という言葉をご存知ですか?
エシカル(Ethical)は日本語で「倫理的な」や「道徳上」といった意味です。
私たちがこの地球上で生きるには、あたり前のように物を食べたり、衣服を購入したりしますよね。
しかしその商品が、必要以上に環境破壊をしていたり、劣悪な労働条件の下で生産されていたら・・・
あなたはどう思いますか?
社会的な問題を倫理的に考え、選択したり消費するのがエシカルです。
世界ではファッションの分野でも、エシカルな考えに注目が集まっています。
そこで今回は、エシカルファッションについて解説したいと思います。
Contents
”エシカルファッションとは?”
環境や労働問題に配慮したファッション
近年、オシャレで低価格なファッションが増えたと思いませんか?
私たちが豊かになった一方で、ファッション業界では、環境や労働に関する様々な問題を抱えています。
そこで良識的な素材を選定し、購入したり生産や販売をするのが、エシカルファッションです。
環境問題では石油業界に次いで、環境汚染を生み出していると言われる、ファッション業界。
衣服を生産するには、大量の水を消費したり、廃棄する事で大量の温室効果ガスなどを、排出しています。
そこで環境に配慮した、サステイナブルな取り組みが注目されています。
※サステイナブルなファッションにつきましては
をご覧ください
また、ファッション業界で働く人の、労働問題です。
この問題に対して、世界的に意識が高まったのが、約7年前に起きた崩落事故です。
”バングラデシュの縫製工場で崩落事故”
2013年4月、バングラディッシュの8階建て商業ビル”ラナプラザ”で、崩落事故が起きました。
死者数は約1130人、負傷者は約2500人です。
当時の日本では、それほど大きく報道されなかったので、知らない方も多いでしょう。
ラナプラザでは、銀行やショップの他に約4000人が働く、有名ブランドの縫製工場がありました。
縫製工場では、スラムなどの多くの若者が家族の為に働き、この事故で亡くなりました。
事故後、徐々に明るみになったのが、劣悪な労働環境でした。
従業員は、1週間ほぼ休みもなく、長時間残業まで、強いられていたのです。
そしてこのビルは、建築基準に満たない建物であり、屋根の上には大出力の発電機が設置されていました。
その発電機の振動と、縫製機械の振動で、ビルの土台には、亀裂が入っていたのです。
使用中止の意見も出ていましたが、ビルオーナーは無視を貫き、崩落事故は起こってしまいました。
事故の発生から約1か月後、20か国以上のファッションメーカーが建設物の安全性に関する協定に、署名をしました。
日本では、対岸の事故だと思うかも知れません。
しかし服を作る仕事に従事している人は、世界に約7500万人います。
事故の起こったバングラデシュは、世界第 2位の衣料品輸出国。
私たちが着ているブランドにも、バングラデシュの製品は多いのです。
そして現在も、バングラディシュの縫製工場で働く人の月給は、わずか約3700円。
年齢は18歳から35歳で、約8割が女性です。
多くは低賃金で、最低限の生活を営むのも難しく、管理者などからの暴力やセクハラなども、横行しています。
問題解決には、企業努力だけでは足りません。
消費者である私たちも、このような現状を知る事が、まずは大切です。
日本では、どのくらいエシカルファッションに、興味のある人がいるのでしょう?
約70%が環境や社会に配慮したファッションを取り入れたい!
2019年、日本全国の15歳~49歳の男女1089名によるファッションの、環境意識調査が行われました。
今後、エシカルファッションやサステイナブルなど、環境や社会に配慮したファッションを取り入れたいですか?
との質問に対して
「そう思う」19.2%
「どちらかといえばそう思う」
52.4%
約70%の消費者が環境・社会に配慮したファッションを取り入れたいと考えています。
またその理由については
「社会貢献に興味があるから」
「自己主張・表現のため」
「トレンドだから」という様々な回答がありました。
日本でも、サステイナブルやエシカルファッションへの興味が、高まっていることが解ります。
(インターネット調査資料 豊島株式会社)
最後に「一般社団法人エシカル協会」では、
エシカルについてこう述べています。
地球は無限であり経済も、永久的に成長できると信じてきた時代は、終わりました。
地球は有限であり共生、共存、シェア、利他の概念を持たなければ、地球も人類も持続可能ではありません。
この新しいパラダイムを作る、ひとつの有効的な考え方が「エシカル」なのです。
※サステイナブルでエシカルなファッションに関しては
人気有名人が手掛ける!サステイナブルなファッションブランドとは?
もご覧ください
まとめ
エシカルファッションとは、環境問題や労働問題などに配慮した倫理的なファッション。
自分だけが良ければいい!ではなく、人にも環境にも配慮した、思いやりの心がエシカル。
そのためには、製造、生産、販売する過程の透明性が需要です。
まずは一人ひとりがエシカルな心で、あれば、サステイナブルな未来を実現できるのかも知れません。