現在、世界の政府や企業は、2030年のSDGsの目標達成に向けて、様々な取り組みをしています。
その中でも、環境への負荷を減らすと同時に、経済的な価値も生む”サーキュラーエコノミー”が注目を集めています!
そこで今回は、サーキュラーエコノミーについて、わかりやすく解説したいと思います!
※SDGsにつきましては
をご覧ください
Contents
“SDGs実現のカギを握るサーキュラーエコノミーとは?”
サーキュラーエコノミーを解説する前に、リ二アエコノミーについて確認しておきましょう!
私たちの社会は長い間、モノを作るのに原料を使い、生産し、消費し、廃棄するというリニアエコノミー(Linear Economy)「直線的経済」を行ってきました。
リニアとは英語で直線。
流れが一方通行の、モノを使い捨る経済システムです。
例えば、企業が服を生産する場合
原料となる資源を大量使用→ 大量生産→ 大量消費→ 大量廃棄(売れ残り品や未使用品も含む)
という一連の流れです。
しかしこのシステムで服を作り続けていくと、資源はいつしか枯渇してしまいます。
また、環境にも様々な悪影響を及ぼします。
・水質汚染
・水の大量使用
・マイクロプラスチック問題
・CO2の大量排出
など。
原料の生産から廃棄に至るアパレル業界が排出するCO2の量は、石油産業に次き、2番目に多いと言われています。
衣料品のみならず、リ二アエコノミーを続けていくと、資源も環境も悪化の一途をたどるでしょう。
また、2050年には世界人口が98億人になると推計されています。
日本は少子化ですが、世界的には人口が増加しているので、持続可能な経済モデルでないことは明確です。
では、サステナブルな未来のために、どんな経済モデルにシフトしていけば良いのか?
そこで新たに誕生した経済の仕組みが
サーキュラーエコノミーなんです!
サーキュラーエコノミーとは?
サーキュラーエコノミー(Circular Economy)とは「循環型経済」という意味です。
略してCEと言ったりします。
サーキュラーエコノミーとは、使い捨ての経済ではなく、資源を無駄にせず、循環させていく経済モデルのこと。
イラストでもわかるように、サーキュラーとは英語で円。
円を描くように、消費した物を再利用し、循環させる流れになっています。
このサーキュラーエコノミー推進機関として有名なのが、イギリスに本社を構える、エレン・マッカーサー財団。
エレンマッカーサー財団では、サーキュラーエコノミーの3原則として
「有害な廃棄物や排出物を出さない」
「投入した資源を使い続ける」
「自然システムを再生する」
を掲げています。
「でも、循環型経済ってこれまでにもあったよね!何が違うの?」
環境問題に関心がある方ならそう思ったでしょう…
従来の循環型経済とサーキュラーエコノミーの違いとは?
従来型の循環型経済(3R)
Reduce リデユース(減らす)
Reuse リユース(再利用する)
Recycle リサイクル(リサイクル)
レジ袋を有料化してごみを減らしたり、不用品はフリマアプリに出品してみたり、洋服をリメイクして少しでも長く使ってみたり。
※ファッションのリメイクに関しましては
リメイクファッションでサステイナブル!解説・ビフォーアフター
をご覧ください
日本は、資源の少ない国であり、3Rの先進国とも言われてきました。
しかし3Rの問題点は、リサイクルをしたくても、リサイクルできるような素材やデザインになっていない製品が、多いこと。
一方の、サーキュラーエコノミーは、原料や製品デザイン(設計)の段階から回収・資源の再利用を前提として生産し、循環させ、廃棄物ゼロを目指しています。
つまり簡潔にすると☝️
廃棄物を減らすために
従来の循環型経済3Rは
廃棄物をどうするか?
(作ってから考える)
サーキュラーエコノミーは
廃棄物を出さないためにどうするか?(考えて作る)
の違いです。
ちなみに、リユースやリサイクルができるようなデザインや、修理や部品交換などで長く使えるように設計されている製品を、サーキュラーデザインと言います。
そして、世界でもサーキュラーエコノミーに積極的に取り組んでいるのが、オランダ政府。
2050年までには、100%サーキュラーエコノミーを実現するという、目標を掲げています。
サーキュラーエコノミーがもたらす経済効果は?
コンサルティングファームのアクセンチュアの調査によると、サーキュラーエコノミーにシフトすることによって、2030年までに4.5兆ドル(480兆円)もの経済効果が想定されています。
また、サーキュラーエコノミー通じて、様々な異業種・異分野の連携が生まれ、地域のつながりの再構築や、オープンイノベーションにつながることも、期待されています。
そしてサーキュラーエコノミーの実現には、メーカー・小売・回収・リサイクル企業など、幅広い業種の連携が必要です。
製品回収・リサイクルなど、消費者の協力も必要となり、業界や立場を超えたあらゆる人々の協力が、必要不可欠です。
今回は、サーキュラーエコノミーについて解説しましたが、いかがでしたか?
リニアエコノミーにより、私たちの生活は物質的には、とても豊かになりました。
しかし、環境にはたくさんの悪影響を及ぼし、地球存続の危機に直面しています。
一人一人が環境問題に興味を持ち、考え、身近なところから取り組んでみる事が大切です。