コロナ禍なのに、フランスの家電修理業者が大盛況!
家電製品を個人でリペアするのも、密かなブームになっているとの情報が…
そこで今回は、フランスのリペアブームの実情を調べてみました。
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フランス「修理可能性指数」の表示が義務化、リペアがブームに!
修理可能性指数とは?
フランスでは2021年の1月から、スマートフォンやパソコン、テレビ、洗濯機などの一部の家電製品に”修理のしやすさ”を表す
「修理可能性指数(Indice de réparabilité)」
の表示をメーカー側に義務化しました。
修理可能性指数は
・修理のしやすさ
・予備部品の価格
・予備部品の入手のしやすさ
・修理説明書の有無
などの基準に基づき、1から10までの数値で表示されます。
数値が大きいほど、修理がしやすいことを意味しています。
現在、Appleのフランスのオンラインストアでは
「iPhone」や「MacBook」の修理可能性スコアの表示を、開始しています。
フランス政府は、修理可能性指数を義務化した目的を、サーキュラーエコノミーを促進するためとしています。
※サーキュラーエコノミーに関しましては
をご覧ください
現状、家電製品の約80%が、修理されずに買い替えられており、世界の電子廃棄物の問題は深刻化しています。
世界の電子廃棄物のリサイクル率はわずか17.4%!
世界的に普及した、スマートフォンやパソコンなどのデジタル家電。
新機種が出るたびに、購入してる方も多いのではないでしょうか?
しかし、買い替える時に出るのが、電子廃棄物。
電子廃棄物の総量は、2019年だけでも、世界で5360万トンの排出。
これは1人当たりにすると、7.3キログラムで、総量にしてクルーズ船350隻分に相当します。
今後も、世界の人口は増加し、2030年までに、7470万トンに達すると言われています。
そして、先進国の電子廃棄物のほとんどは、最終的にガーナやナイジェリア、インドの発展途上国に集り、焼却処分されています。
焼却の際に出る有毒ガスは、人体に悪影響を及ぼし、環境汚染の原因にもなっています。
また、電子廃棄物には、金、銀、銅、プラチナなどの貴重な資源も含まれています。
2019年の電子廃棄物には、少なくとも570億ドル相当の価値があると言われています。
しかし、正規で回収、リサイクルされた電子廃棄物は、全体のわずか17.4%にとどまっているのが現状です。
フランスの家電修理企業が急成長!
日本と同様、コロナ禍での外出自粛や将来への不安が高まってるフランス。
フランスでは家電製品が故障した時には、購入したお店に持参するか、修理業者に自宅に来てもらうケースがほとんどです。
しかし、コロナ感染が続く中、自宅に外部の人を招き入れるのを避けたい人も多く、お店も休業している。
そんな中、家電の修理方法をyoutubeで紹介したり、テレビ電話でエンジニアがリモートで修理支援をする会社の売上げが急増。
家電製品の診断・修理を支援するフランスのSOSアクセサリーは、ETF パートナーズが主導する資金調達ラウンドで、1000万ユーロ(約13億円)を調達しました。
同社は家電製品の故障を診断したり、スペアパーツを入手したり、修理手順をビデオで教えたりしています。
2020年には、同社のサービスにより、約50万台の家電製品が廃棄されなかったと推定されています。
これは4375人が、1年間に排出する二酸化炭素に相当する量が、削減されたと推測されています。
お金を節約できるだけでなく、廃棄物を減らし、最終的には環境にも貢献できると、フランス人のリペアへの意識も高まっています。
衣類の“売れ残り商品の廃棄”を完全禁止へ
また、フランスでは2022年から衣類などの在庫や売れ残り品などの商業廃棄を禁止する、新たな法律が施行されます。
フランスでは年間、まだ使える新品を含め、10億ユーロ(約1180億円)相当の商品が売れ残りとして、廃棄されているからです。
法律に伴い、余剰商品を廃棄物として処理をせず、寄付することやリサイクルやアップサイクルに取り組む義務が、企業責任として課せられます。
※フランスの衣料品の廃棄禁止法につきましては
をご覧ください
今回は、フランスのリペアブームを調査してみましたがいかがでしたか?
様々な法律によって「捨てる文化」からの脱却を目指すフランス。
資源に限りのある日本では、江戸時代にリペア、リサイクル産業が発展していて、循環型社会が実現されていたと言われています。
日本も原点に返り「修理して使う文化」を見直す時がきているのではないでしょうか?
※日本の江戸時代のリペアに関しましては
をご覧ください