スウェーデンと言えば
・自然に囲まれた美しい街並み
・ノーベル賞の授与式が行われる
・税金は高いけれど、教育や社会福祉が充実
・人気家具のIKEAやファストファッションのH&M
などを、皆さん思い浮かべるのではないでしょうか?
しかし現在スウェーデンは、環境先進国として、新たに注目されています。
スウェーデンは、2020年6月に発表されたSDGsの達成率で世界第1位。
ちなみに、2位にデンマーク、3位にフィンランド、日本は17位です。(159カ国中)
※Sustainable Development Report 2020より
環境先進国と言われる、スウェーデンでは、どんな環境対策が行われているのでしょう?
また、スウェーデンで誕生した、世界初のリサイクルショッピングモールについても、今回ご紹介したいと思います。
※SDGsにつきましては
をご覧下さい
Contents
”SDGs先進国のスウェーデン!修理代など環境対策には軽減税率も”
環境対策への意識の高い国民性
スウェーデンの消費税率は現在25%。
高い税率ですが、福祉国家を実現し、国民の幸福度も高い国と言われています。
しかし近年、スウェーデン政府は環境型社会を推奨し、自転車や革製品、服や靴、布類の修理代を軽減税率の12%に引き下げました。
これは、消費者が気軽に修理に出し、環境問題に取り組めるようするためです。
また、スウェーデンでは他国から来た難民に対する労働市場の確保が、長年の課題となっていました。
修理サービス産業を強化する事で、新たな雇用の創出も促進したいと考えているからです。
そのため、冷蔵庫や洗濯機、ストーブの修理代は税金控除の対象とし、修理をする技能を持った人材の確保にも取り組んでいます。
消費社会からすでにあるものを、直して大事に使う循環型社会にするのが、この政策の意図です。
※日本の江戸時代は既に循環型社会に?
をご覧ください
一方で、炭素税は世界一高く、化学燃料を無くすために高い税金をかけています。
また、クリーンな車を走らせることを推奨し、電気自動車は無税にしたり、低い税率にしています。
これらの政策が実現できる背景には、スウェーデン国民の「税金=投資」という考え方。
また、それによって経済を活性化させたい!という意識が高いからです。
世界初のリサイクルショッピングモールが誕生!
2015年に誕生した100%リサイクルスタイルのショッピングモール”リトゥーナ”(ReTuna)
首都ストックホルムから電車で約2時間ほどの、エシルストゥーナ(Eskilstuna)という都市にあります。
リトゥーナの隣には、リサイクルセンターがあり、不用品が持ち込みやすいように、ドライブスルー形式で回収しています。
その不用品は無料で回収。
その後、丁寧に修理したり綺麗にして販売。
また、デザインやアイデアを加えた、アップサイクル製品も販売しています。
※アップサイクルに関しましては
をご覧ください
ちなみに、商品として売るのは難しいと判断された子供用品などは、学校へ寄付しています。
リトゥーナのショップは全14店舗。
洋服や家具、台所用品に家庭用品、ペット用品にお花や建材。
自転車やスポーツ用品、コンピューターなどの機械の修理・販売店もあります。
また、環境に配慮して生産された素材を使った、スイーツを提供するカフェもあります。
リトゥーナが目指すものとは?
リトゥーナは、自治体によって運営し、公費によって設立されました。
ショップオーナーには、オープン当初から、補助金がしばらく支給されていました。
しかし、世界初のリサイクルモールとして度々マスコミに取り上げられ、2017年には売上が日本円にして1億円を達成。
毎週火曜日15時から行われている見学ツアーには、世界各国から年間約300グループが訪れます。
2018年には補助金なしで運営が可能になりました。
リトゥーナでは、地球の限られた資源の中で工夫しながら暮らしを楽しみ、持続可能な社会を実現する提案しています。
また、利益や雇用を生み出す事も目指しています。
リトゥーナ(ReTuna)
まとめ
循環型社会を作り出すことで生まれる雇用。
スウェーデンでは、合理的な政策で、サーキュラーエコノミーを成功させています。
また、環境問題への取り組みは、将来への投資と考える国民の意識の高さが、環境先進国を支えています。