「第1回 国際サステナブルファッション EXPO秋」をリポート!

2021年の10月18日~20日までの期間「第1回 国際サステナブル ファッション EXPO 秋」が東京ビッグサイトで開催されました!

今回は、出店数が春の開催に比べて100社も多く、社会課題への危機感と、サステナブルな素材開発への企業努力を感じることができました。

こちらで紹介できるのはわずかですが、最新のサステナブル繊維や製品をリサーチしてきたのでご覧ください。

 

※前回の第1回 国際サステナブル ファッション EXPO 春に関しましては

第1回「国際サステナブルファッションEXPO春」をリポート!

をご覧ください

Contents

第1回 国際サステナブル ファッション EXPO秋をリポート!

異業種協働による廃棄衣料のアップサイクル

まずは、全国で衣料品、雑貨などのセレクトショップを運営しているアーバンリサーチのブースに。

現在アーバンリサーチでは、異業種協働で廃棄衣料をアップサイクルする「commpost(コンポスト)」を展開しています。

カラフルなカラーで目に留まったのが、画像のシンプルなバッグ。

植栽の鉢カバーにランドリーバッグ、ゴミ箱にステーショナリー、キッチン周りの収納など、多用途に使えて軽くて撥水性もあります。

また、不要になったら回収し、リサイクルができるように作られています。

こちらは素材分別が難しい廃棄繊維を色分けし、付加価値のある素材にリサイクルする研究を行っている「カラーリサイクルネットワーク(Colour Recycle Network )」との協働によって、新素材と新製品を研究開発しました。

また、「株式会社URテラス」との協働により、製品の生産過程における、障がい者をはじめとする、就労困難者の雇用の創出も実現しています。

 

業種の垣根を越えて、それぞれの強みを生かし協働する事で、就労問題や廃棄衣料削減につながり、消費者も共感できる、素晴らしい取り組みだと感じました。

https://www.urban-research.co.jp/

東京の間伐材から布のバッグが誕生!

続いて、ハートツリーのブースに。

突然ですが、このバッグは何の素材で作られていると思いますか?

答えはなんと「木材」です!

実際に触れてみましたが、軽くてサラッとた、デニム生地のようでした。

そして、木材には抗菌作用があり、家の壁紙としても使えるとのこと。

新型コロナの感染症が流行した今後は、さらに需要が高まるのではないでしょうか?

ちなみにこの布の原料は、東京都多摩地域で唯一の村である、檜原村生まれの多摩産材を使用。

バッグのデザインは、女子美術大学の学生と提携し制作されました。

日本は、木材資源が豊富な国ですが、8割以上は外国材を使用していて、林業が疲弊しているのが現状です。

国産の間伐材を積極的に使い、間伐を適正に行い 「伐採→植樹→育てる」というサイクルを健全に回し、森を維持していく重要性を、バッグを通して訴えています。

また、生産地や製造する目的、製造工程に販売先など、サプライチェーンも明確なので、エシカルなバッグと言えるでしょう。

https://heart-tree.com/

サボテン由来のヴィーガンレザー

続いては、サボテン由来のヴィーガンレザーを展示している、永井撚糸のブースへ。

近年は、さまざまな素材のヴィーガンレザーが誕生していますが、こちらは、メキシコのサボテンから生まれた、ヴィーガンレザー「デセルト(DESSERTO)」です。

 

※ヴィーガンレザーに関しましては

新時代のヴィーガンレザーはエシカルでサステナビリティ

をご覧ください

デセルトは、約半年ごとに収穫可能な成熟したサボテンの葉を使用し、サボテン由来の強力な分子結合によって作製されています。

見た目は、本革に近く、柔軟性や耐水性に優れていて、伸縮性や通気性も兼ね備えた天然由来のエコ素材として、世界で注目されています。

サボテンは雨水で育つため、水を供給するかんがい設備が不要で、収穫後、成長を待って再度収穫することが継続的に可能です。

また、サボテンは夜間に多くのCO2を吸収してくれるそうです。

https://grapapa.jp/

破棄されるお花に新しい息を吹き込む

続いては綺麗なお花に惹かれて、日本サステナブルフラワー協会のブースに。

皆さんは、生花店のお花の約35%が、廃棄されているのを知っていますか?

近年、この廃棄されるお花のことを「ロスフラワー」と言います。

若年層を中心とした消費者の花離れに加え、新型コロナウイルスでイベントの中止が続いたことにより、このロスフラワーの数が増えています。

日本サステナブルフラワー協会では、廃棄花を使ったキャンドルや、お花で染めたバッグが展示されていました。

食料品、衣料品ロスについては知っていましたが、ロスフラワーの問題については、私も初めて知りました。

ロスフラワーの問題が、より多くの人に認知されて、削減する取り組みが広まると良いと思います。

https://www.sustainable-flower.com/

サトウキビ由来のポリエステルで生分解素材

最後はツカモトコーポレーションのブースに。

こちらでは「リテラ(Re Terra)」という植物由来の新しいポリエステルが展示されていました。

リテラの成分は、約30%がサトウキビでできていて、特定の推肥中で生分解できるようになっているので、全くゴミが出ません。

これによって、衣類の焼却時に排出されるCO2の量の約40%を、削減する効果があります。

リテラのユニフォームも展示されていましたが、世界中で生分解できる素材が使われれば、環境への負荷も大きく削減できるでしょう。

ちなみに、エコバッグを帰りに頂いちゃいました!

再生できない繊維のエコバッグが、売れ残ってしまったら、ぜんぜんエコではないと、つねづね感じていました。

https://www.tsukamoto.co.jp/

 

今回の展示会では、ファッションを通して、林業やフラワー産業など、異業種の社会課題にも触れることができました。

そしてファッションには、社会問題を表現したり、解決できるパワーがあり、未来でのファッションのあり方が見えてきました。

来年は、どんなサステナブルファッションが誕生するのかとても楽しみです!

 

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