新型コロナのパンデミックにより、除菌、抗菌に対する人々の意識は高まりました。
そして世界の抗菌繊維市場は、2027年までに約1兆9千億円に達すると予測されています。
大手繊維メーカーやテキスタイルメーカーなどは、次々に抗菌繊維を開発し、第三者機関の定める認証制度を取得。
また、ソニーやシャープ、飲料メーカーの伊藤園までが、抗菌繊維市場に参入し始めています。
そこで今回は、衣料品などで目にする機会の増える、抗菌繊維の認証マークについて、理解しておきましょう!
Contents
“抗菌繊維の認証マーク!新型コロナの流行で増加するSEKとは?”
抗菌とは?
まず、抗菌や殺菌、除菌のなどの違いについて、確認しておきます。
抗菌・・・製品の表面上における細菌の増殖を抑制すること
滅菌・・・微生物を完全に死滅させること
殺菌・・・細菌やウイルスなどの微生物を死滅させること
消毒・・・微生物のうち病原性のあるものをすべて殺滅・除去してしまうこと
除菌・・・ある物質または限られた空間より微生物を除去すること
(抗菌製品技術協議会SIAAより)
※ちなみに、細菌=ウイルスではありません。
それでは、SEKマークについて見てみましょう。
SEKマークとは?
SEKとは「Sen-i Evalution Kino」の略。
繊維評価技術協議会が制定する、抗菌・防臭加工繊維製品の性能等における、規格を満たした製品に与えられる認証マークです。
厳正な評価基準は、国際標準化されています。
頭文字の意味は「S=清潔」「E=衛生」「K=快適」です。
そして、SEKマークには「抗菌加工」・「制菌加工」・「抗ウイルス加工」などの種類があります。
同じマークを基調にして、異なるカラーでそれぞれの用途や性能・効果を表しています。
SEKマークの種類
抗菌防臭加工SEKマーク(青)
青色は抗菌防臭加工のマークです。
菌の増殖を抑えて臭いの原因菌を抑制することで、靴下やタオルなどの衣類でも嫌なニオイを防いでくれます。
衣類の嫌なニオイは、おもに汗や汚れを栄養源とする細菌の増殖が原因です。
抗菌加工によって、その細菌を抑制することができます。
制菌加工SEKマーク(赤)
赤色は医療や介護製品に付与される制菌加工済みの認証マークです。
赤マークの特徴は、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球)と呼ばれる感染症の原因菌の抑制効果が認められています。
その他にも、肺炎桿菌(かんきん)や大腸菌といった有害な細菌にも制菌効果があるため、特定の職場環境において高い安全性を発揮します。
制菌加工SEK マーク(橙)
橙色は抗菌加工よりも強力な細菌抑制効果を持つ、制菌加工が施された認証マークです。
赤色とは異なり、こちらは一般用途を意味しているので、家庭用や食品業務用の製品に付与されるSEKマークです。
繊維上の皮膚常在菌や有害な細菌の増殖抑制・減少効果が期待できるので、衛生的な効果も高いです。
光触媒抗菌加工SEKマーク(紫)
紫色は光触媒(ひかりしょくばい)抗菌加工のマークです。
光触媒とは、太陽や蛍光灯の光が当たることで酸化作用を引き起こし、有害な化合物を分解することで細菌を抑制する効果を意味しています。
シャツなどの衣類、カーテンなどのインテリアに用いられていますが、繊維以外にもタイルや外壁、浄水の仕組みにも応用されるなど、幅広い用途で光触媒は活躍しています。
「抗菌加工」と「制菌加工」の違いとは?
抗菌加工はおもに、臭いに対する抑制技術です。
このため嫌な臭いが発生しない程度に、菌の増殖を抑えます。
制菌加工は、繊維などに付着してしまった菌の増殖を防ぐものです。
新型コロナウイルスの流行で、注目が高まっているSEKマークは?
抗ウイルス加工SEKマーク(黄)
黄色は、抗ウイルス加工マークです。
抗ウイルス加工とは、繊維製品に付着したウイルスの数を減少させて清潔に保ち、繊維製品が介するウイルスの伝播を弱める加工です。
ただし、病気の治療や予防を目的とするものではなく、ウイルスの働きを抑制するものではありません。
今回は、SEKマークについて、解説してみましたがいかがでしたか?
SEKマークは消費者が安心して抗菌繊維商品を、購入できるよう、厳正な評価基準をクリアした証です。
今後、目的にあった商品を選ぶ目安として、認識しておきましょう。