終活や遺品整理などで不要品を処分したい。
しかし、世界中で大量廃棄による環境汚染問題が、深刻になってきています。
そこで不要な物を買取販売し、循環させるリユース市場の需要が、年々高まってきています。
リユース市場は2030年に、2兆1710億円の市場規模になると、予想もされています。
この市場を大きく押し上げているのが、CtoCセグメントのフリマアプリのメルカリ。
また従来型のBtoCで、不用品の買取販売をする、ファッションのリュース企業も急成長しています。
そこで今回は、急成長しているファッションのリユース企業について、解説してみたいと思います。
※CtoC、BtoCに関しましては
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Contents
”ファッションのリュース企業が急成長”
セカンドストリート(2nd STREET)
セカンドストリートを運営するのは、1989年設立の株式会社ゲオホールディングスです。
ゲオと言えば、AVソフトレンタルの販売店「ゲオショップ」を思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし近年のゲオショップは、ネット動画のサブスクリプションやYouTubeなどの台頭によって、苦戦を強いられています。
※サブスクリプションに関しましては
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現在、ゲオの大きな収入源になっているのが、リユース事業の「セカンドストリート」(セカスト)です。
洋服はもちろんソファーから、テレビなどの家具や家電そして楽器も査定し、買取販売をしています。
買取方法は「店頭買取」「WEB買取(宅配)」「出張買取」の3つを行っています。
この中から自分の都合のよい方法を選択し、査定してもらえます。
ハイブランドからノーブランドまで、買取してくれるのが特徴。
国内の店舗数は、大手アパレルメーカーのユニクロ、洋服の青山に次ぎ630店舗。
現在も年間40店のぺースで増やし、昨年からは海外にも出店しています。
2018年1月、カリフォルニア州ロサンゼルスのメルローズに、セカンドストリート初の海外店舗をオープン。
メルローズアベニューは、ヴィンテージショップなどが立ち並ぶ街。
日本のリユースショップチェーンが、北米に出店するのは初めてです。
服飾品を約1万点そろえ、販売だけでなく日本と同様、買取サービスも行っています。
アメリカでは差別化を図る為、日本全国で買取した豊富な在庫も活用し、日本のブランドコーナーも設置。
京都紋付の色あせや、汚れた中古衣料品を、深黒加工で黒に染め上げ、新たな商品としアップサイクルする「クロフィネ(KUROFINE)」も販売。
※アップサイクルに関しましては
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同年6月には、ロサンゼルスのパサデナ、7月にはオレンジ郡のコスタメサの、ショッピングモールにも出店しました。
セカンドストリートは、2020年の3月までに、アメリカで10店舗まで増やす計画です。
またアジア圏ではマレーシアに出店していますが、今後は台湾にも展開予定。
台湾は、近年日本の大手セレクトショップも続々と出店しています。
ターゲットは、日本文化に関心の高い台湾の若年層です。
海外で日本流のリユースショップは受け入れられるのか?
今後もセカンドストリートに注目です!
続いては、ネットやマス広告を主体に集客を行い、無店舗経営で出張買取がメインの、リュース企業です。
テレビCMでおなじみ!出張買取の”バイセル”
バイセルを運営するのは、2001年設立の株式会社バイセルテクノロジーズです。
バイセルでは主に着物や切手、ブランド品などの、出張買取販売を行っています。
ネット型リユース事業を通じて、循環型社会の構築に果敢に挑戦し、急成長している企業です。
バイセルの2018年12月期の売上高は、101億1875万円。
経常利益は4億7300万円です。
バイセルでは、出張買取の出張料・査定料・キャンセル料など査定にかかる費用は、日本全国すべて無料。
買取したものは自社で展開している、ECサイトやデパートの催事などで、販売しています。
主要顧客は50代以上が約75%を占め、シニア層に強いのが特徴。
自宅整理や遺品整理及び、生前整理で利用するケースが約60%を占めています。
前期の出張訪問件数は15万8197件。
その中で主力商材となる着物類の買取は、年間約100万点にものぼります。
バイセルではお客様の要望で、着物をテディベア用のミニチュアサイズに作り替えて着せる、リメイクの新事業も始めました。
買取販売の他に、思い入れのある物を新しい形にして残す。
『大切なものをつなぐ掛け橋』をするのもバイセルの理念です。
そしてバイセルは、今年の11月に初の海外事業を発表しました。
日本の古着物をモンゴルの民族衣装に!
バイセルは、日本リユースシステム株式会社と共同で、古着物をモンゴルの民族衣装『デール』にリメイクし、モンゴルで販売します。
日本で買取した古着物をモンゴルに輸送し、現地の衣料品メーカーで、モンゴルの民族衣装に作り替えます。
なぜ、初の海外出店先がモンゴルだったのでしょうか?
大相撲のモンゴル人力士の活躍もあり、モンゴルでは日本の大相撲中継が人気です。
その影響などもあり、モンゴルでは年々、日本の服や文化への関心が高まってきています。
また実際にデールを制作した結果、伝統的な着物との共通点が多いことも判明したのです。
バイセルでは今後、モンゴル各地の衣料品店と交渉し、取り扱い店舗を300店にすることを、目指しています。
環境に配慮すると同時に、日本文化の継承にも繋がるサスティナブルな事業です。
※サスティナブルに関しましては
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そしてバイセルは、2019年12月18日に東証マザーズに上場する事を発表しました。
今回は、急成長している注目のリユース企業を取り上げてみました。
まとめ
日本は少子高齢化、今後も買取市場は拡大するが、国内競争は激化。
販売経路が海外へと向けられています。
買取品を新たな製品にして販売する、アップサイクルの需要は今後さらに高まって行くでしょう。
リメイクやアップサイクルなどが普及していけば、ゴミという概念のない未来が、見えてくるのかも知れません。
※リメイクに関しましては
リメイクファッションでサステイナブル!解説・ビフォーアフター
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